2025.05.26UP
【精肉店の勝ち残り戦略】精肉店の販売戦略を考える商圏マトリクス|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.05.23)
実店舗の販売戦略を練る場合、
その店が「どこにあるか」は非常に重要ですね。
車での来店を基本とするエリアなのか、ワーカーが多いエリアなのか。
こうしたエリア特性は顧客の利用シーンや利用用途と深く結びつくため、
店の特徴として明らかにしておくことで自ずと最適な販売戦略は見えてきたりします。
目次
商圏マトリクスの4象限
① 都心×商業地型(例:駅前百貨店、オフィス街地下)
② 都心×住宅地型(例:都心マンションエリア、タワマン下)
③ 郊外×商業地型(例:ロードサイド沿い、郊外型SC)
④ 郊外×住宅地型(例:住宅団地近くの個人店)
ひとつずつ、特徴を整理してみましょう。
① 都心×商業地型(例:駅前百貨店、オフィス街地下)
特徴:
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高密度・短時間滞在・可処分所得高め
-
客層は通勤者・観光客・テナントワーカー
チャンス:
-
ハレの日需要(ギフト、手土産、贅沢惣菜)
-
時間がない中での**“選びやすさ”“目立ちやすさ”がカギ**
課題:
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滞在時間が短く「迷ったら買わない」傾向
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家庭消費ではなく“単発消費”が中心
戦略例:
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小容量・高単価パック(和牛100g、特製タレ付)
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ギフト特化陳列+テイクアウト弁当併売
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LINE予約や時間指定ピックアップでリピートを生む導線設計
② 都心×住宅地型(例:都心マンションエリア、タワマン下)
特徴:
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コンパクトな暮らし・都市型家庭
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客層は共働き世帯・感度高めの30〜50代
チャンス:
-
平日は惣菜・加工品需要、週末はご褒美肉需要
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「便利」「健康志向」「見た目の良さ」で選ばれる傾向
課題:
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競合(スーパー・デパ地下)が豊富
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スペース・時間の限られた買い方を求められる
戦略例:
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冷凍惣菜や簡便セット強化(肉+タレ+カット済)
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「金曜だけの和牛ハンバーグ」「毎月29日フェア」など企画販促型
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EC・LINE連動で“マンション住民専用サービス”も検討可
③ 郊外×商業地型(例:ロードサイド沿い、郊外型SC)
特徴:
-
車来店前提の広域商圏・週末集客型
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客層はファミリー層・イベント消費が中心
チャンス:
-
まとめ買い、BBQ・鍋セット、弁当需要など大きな買い方が多い
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「肉屋らしさ」が伝われば遠方からでも来る
課題:
-
競合も多く、「ついで買い」に埋もれやすい
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曜日・時間帯による波が激しい
戦略例:
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大容量パック/焼肉用セット/特売日の演出強化
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見て楽しい・映えるショーケース(塊肉、職人カット)
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季節フェアやPOPイベントで“目的来店”を作る
④ 郊外×住宅地型(例:住宅団地近くの個人店)
特徴:
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地元密着・リピーター中心・シニア率高め
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客層は日常買い物圏の主婦・高齢者・近隣常連
チャンス:
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接客・関係性による信頼性が勝負
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チラシ・口コミ・顔なじみコミュニケーションが最強
課題:
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客単価が上がりにくく、平日は来店頻度頼み
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地元以外の新規獲得が難しい
戦略例:
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「お肉屋さんのおかず」惣菜セットや夕方の半調理提案
-
常連向けスタンプカード・割引情報の紙配布
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月1の「肉の日イベント」や試食会で定期的な盛り上げづくり
まとめ:立地特性で「何を強みとするか」は全く異なる
エリア | キーワード |
---|---|
都心×商業地 | スピード・手土産・プロ感 |
都心×住宅地 | 時短・安心・映え・健康志向 |
郊外×商業地 | ボリューム・演出・イベント性 |
郊外×住宅地 | 関係性・信頼・日常の変化球 |
もう待ったなしです。今年を変革元年にしましょう。
✅ どの店にも「立地特性に合った正解」がある
✅ 都心と郊外、商業と住宅――自店の位置づけを明確にすることで、戦略は研ぎ澄まされる
✅ 「売れてる店の真似」ではなく、「自店の立地の最適化」が第一歩
あなたの精肉店が“誰のための店か”を見直すことで、
次の打ち手は自然と見えてきます。