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2025.04.09UP

【精肉店の勝ち残り戦略】肉屋の陳列における「圧縮付加法」とは?|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.04.08)

吉田 圭良

吉田 圭良

コンサルティング事業部 食肉業界支援チーム
チームリーダー
シニアコンサルタント

Blog | Keisuke Yoshida

精肉店の未来は明るい!ただし時流への適応努力が必要!

― 陳列の質で売上は変わる!「圧縮付加法」という考え方 ―

多くの精肉店が「商品の種類は増やしたのに、なぜか売上が伸びない…」という悩みを抱えています。

実はその原因、“陳列の密度”と“視覚の整理”に問題があるかもしれません。

私の関係先で、売上の伸び悩みと同時に小ロット多品種製造による製造効率の悪化課題を抱えていたとある店舗様では、

最近陳列する品揃えを30%程度削減したにもかかわらず、売上は前年同月対比160%程度で伸長している事例が生まれています。

本日は、量販店では実は当たり前のように導入されている陳列戦略、

「圧縮付加法(圧縮して、付加価値を与える)」という考え方を、

精肉店に応用する方法を通してわかりやすくお伝えします。


「圧縮付加法」とは?

簡単に言うと、

「並べる商品点数をしぼり、1商品あたりの情報量と存在感を増やす陳列法」

です。

たとえば…

  • 精肉ケースに10種類の肉をバラバラに少しずつ並べる → “選びにくい”

  • 一方、5種類にしぼって、それぞれのPOPやおすすめコメントを充実 → “選びやすい+買いたくなる”

これが圧縮付加法の考え方です。


なぜ今、圧縮付加法が求められるのか?

圧縮付加法という考え方は私がまだ洋服屋であった頃からある考え方で、実際私もその考え方に基づいた陳列戦略を各店に指導していました。

当時でもこの実践による売上アップ効果と在庫回転率の向上効果はありましたが、

それでも前述した店舗様程の効果はなく、私も驚いています。

こうした事例から今の時代、さらにこの考え方が重要になっているように思います。

現代の消費者は、日常的に「情報過多=選択疲れ」を感じています。

店頭でも、種類が多すぎると「どれが良いかわからない」「選ぶのが面倒」と感じ、結果的に買わずに帰ることも…。

そのため、

  • 商品数は減らす(圧縮)

  • その分、「魅せ方」「ストーリー」「使い方提案」などを強化(付加)

という形で、選ぶストレスを減らし、「これにしよう!」と感じてもらえる売場が求められているのではないでしょうか。


精肉店での活用ポイント

陳列数はしぼるが、情報量は増やす

  • 「今日は5種類だけ」でもOK。そのかわりに、POPで特徴・おすすめ料理・量目の目安をしっかり伝える

  • 商品名+“推しコメント”があると、お客様は選びやすくなる

 

ケースの見た目は“余白”を大事にする

  • ギチギチに詰まっていると「どれも同じに見える」

  • ゆとりある配置と、「1種1役」の役割設定で売場を整理する

  • ボリュームを持たせた陳列のビジュアルは、言葉以上の効果で「人気商品である」という事を見る人に伝える

 

「おすすめのセット」を用意して選ぶ手間を減らす

  • 「焼肉セット(4種盛り)」「今夜のすき焼きセット」など

    → 消費者の「どう組み合わせるか問題」を解決できる

 


「圧縮付加法」の陳列比較イメージ

陳列パターン 商品数 POP 見た目 買いやすさ
従来型(バラバラ陳列) 12種類 少ない ゴチャつく 低い
圧縮付加型 5種類 料理提案+部位説明+量目表記 すっきり 高い


明日からできる圧縮付加法の導入ステップ

 

✅ よく売れる商品を分析し、「迷わせない5商品」を選定

✅ POPは「部位名+おすすめ料理+食べ方」の3点セットで作成

✅ 「何を買えばいいかわからない」お客様のために、セット商品を並べる

✅ 一度に全部変えず、1区画だけ試すテスト導入からスタートすると効果が実感しやすい


もう待ったなしです。今年を変革元年にしましょう。

「ひとつひとつの商品力には自信がある」

「綺麗に陳列しているのに、売上が伸びない…」

そんなときこそ、「並べ方」の見直しを行ってみましょう。

✅ 圧縮して

✅ 情報とストーリーを加えて

✅ 迷わず選べる売場を作る

これこそが、いまの時流に適した「売れる精肉店」の陳列戦略です。

吉田 圭良

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