ホーム > 吉田 圭良ブログ > 食肉業界 > 【精肉店の勝ち残り戦略】今儲かり、今後も儲かり続ける精肉店は3パターン!|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.05.29)

2025.06.05UP

【精肉店の勝ち残り戦略】今儲かり、今後も儲かり続ける精肉店は3パターン!|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.05.29)

吉田 圭良

吉田 圭良

コンサルティンググループ 食肉業界支援チーム
チームリーダー
シニアコンサルタント

Blog | Keisuke Yoshida

おはようございます。

先日のブログでは、とある食肉卸企業の生産が決定したニュースをお伝えしました。

また、Investing.comの最新速報によれば、「オートバックス」や「業務スーパー」などを展開するGセブンHDは「精肉事業を除くすべての事業セグメントで増収」とのこと。

同記事では、精肉事業について以下のように記載されています。

精肉事業の売上高は前期比0.7%減の21,026百万円、経常利益は同46.5%減の213百万円となった。

円安の影響も含めた原材料価格の上昇により仕入率が悪化し、減益要因となった。
同社は、販売価格の見直しや国産品への切り替えを進めたものの(輸入肉の構成比率は約2割に低下)、消費者の節約志向の継続に加え猛暑によるバーベキュー需要の減少も響いた。既存店の月次売上動向は、2024年4月以降すべての月で前年同月を下回り、通期では前期比3.6%減となった。
出退店の動向については、新規出店が9店舗(中部6店舗、北海道、九州、関西で各1店舗)、退店が3店舗となり、期末店舗数は前期末比6店舗増の180店舗となった。

(引用元:Investing.com

一方で、全国に88店舗を展開する老舗肉屋ニュー・クイック(株式会社ニュー・クイック、本社:東京都中央区日本橋、代表取締役:林 浩二)では、2025年5月31日(土)に新たに「ニュー・クイック ららテラス川口店」をグランドオープン。(情報源:https://www.new-quick.co.jp/news

お同じ食肉業界で、このような勢いの差はどこから出てくるのでしょうか?

2か月で100店舗以上を巡ってきた私たちは、今儲かり、今後も儲かり続けるであろう精肉店は3つの成長モデルに分けられる特徴があると分析しています。

今儲かり、今後も儲かり続ける精肉店は3パターン!

① 地域“超”密着型精肉店

■ 今儲かっている理由

  • 人口減でも固定客が強固:「うちは○○さんの肉じゃないと」と言われる関係性がある。

  • 地域イベントや学校との連携で「顔が見える流通」になっており、地元密着の信用を獲得。

  • 高齢化対応、小分け、やわらか加工など地元特性に適応済。

■ 今後も儲かり続けるための進化ポイント

  • 商圏データとライフステージ別提案の徹底

    例)0〜12歳の子育て層向け → お子様ポイント制度、週末イベント強化

    65歳以上比率高いエリア → 噛みやすい加工肉+配達連携

  • リアル接客×LINEのハイブリッド

    例えば「LINEで前日予約 → 店頭受取で対面接客」など

  • 既存客の「友人紹介」設計

    地域密着モデルこそ“口コミ”で新規が増える。

② 全国商圏型精肉店

■ 今儲かっている理由

  • ヒット商品(肉ケーキ・ユッケ・ステーキ食べ比べ等)がSNSで拡散・自走している。

  • 広告運用やLINEギフト、楽天など複数販路を持ち、安定的に流入を得ている。

  • 出荷業務の仕組み化が済んでおり、地方でもECで勝てている。

■ 今後も儲かり続けるための進化ポイント

  • LTV(顧客生涯価値)型モデルへの転換

    → 「初回」→「定期便」→「ギフト利用」へのシナリオ設計

  • デジタル接点の強化

    Googleレビュー戦略、Instagram連動のUGC創出などで新規獲得強化

  • 全国に点在するファン層を活かした「ファン参加型キャンペーン」

    → 地方応援型「ふるさと肉応援便」など、共感による購入を促進

③ 特定用途特化型精肉店

■ 今儲かっている理由

  • 用途ドリブン(BBQ・ケーキ・ギフト・プロテイン)で明確な買い理由がある。

  • 競合が少なく、指名買いされやすいニッチポジション。

  • 食肉以外(タレ・炭・保冷バッグ等)も売れるため、客単価が高い

■ 今後も儲かり続けるための進化ポイント

  • 利用頻度の少なさを「セット化・定期化」で補う

    例)「月1 BBQ定期便」「誕生日月 肉ケーキDM」など

  • **関連事業とのコラボ(ジム、アウトドア用品、パーティ系)**による新規流入の設計

  • 非肉商材とのクロスセル設計

    例)BBQなら「クラフトビール/スパイス/レジャーシート」など

貴方の店はどのタイプ?

今回は詳しくは触れませんが、それぞれのモデルにメリットやデメリット、注意すべきポイントはありますが、

これらのタイプは商圏特性や立地などの条件で自動的に決まるものではなく

どのタイプで拡大していくかを強みやリソース、ビジョンなどから、経営判断として選択すべきものです。

 

人材不足や仕入価格の高騰などは、食肉業界全体の話。

一方で既にご承知の通り、経営がうまくいくかどうかは、企業それぞれの話、です。

 

同じような環境でも成長させられている企業や店舗を参考にしながら、

最適な成長モデルを描きましょう!

 

■ 補足:3パターンを融合した「最強モデル」もあり得る

  • 地元で強い → ECで展開 → 目玉商品で特化型に進化

    というフェーズ型成長モデルも視野に入れると◎

 

 

 

吉田 圭良

吉田 圭良

コンサルティンググループ 食肉業界支援チーム
チームリーダー
シニアコンサルタント

Blog | Keisuke Yoshida

RERISE CONSULTING Facebook

tel:0800-100-0515

RERISE CONSULTING Facebook

上へ