2024.09.30UP
【最新】令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果
こんにちは、中口聡明です。
本日は、経済産業省から9月25日に発表された電子商取引に
関する市場調査の結果について見ていきたいと思います。
https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001.html
まずは市場規模の推移ですが、
令和5年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、24.8兆円(前年22.7兆円、前々年20.7兆円、前年比9.23%増)に拡大。
内訳をみると、食品が該当する物販系分野で14.6兆円、EC化率9.38%(前年13.9兆円、前年比4.83%増)。
物販系のうち、「食品、飲料、酒類」は2.9兆9,299億で2兆7,505円から6.52%の増加。
EC化率4.29%(前年4.16%)でした。
2023年には新型コロナウイルスも落ち着き始め、消費者の実店舗回帰がすすんだことにより、
需要がやや一服したようです。
とはいうものの、まだまだ前年比で5%以上の伸びは継続しており、
物販系の分野のなかでも、もっとも伸びているのが、「食品、飲料、酒類」です。
引き続き、食品を取り扱う企業にとって、ECの活用、強化は重要な議題となるでしょう。
つぎに、国内BtoC-EC市場のトレンドについて。
昨年から大きく変化しているわけではありませんが、
「実店舗の位置付け・役割の変化」が述べられていましたのでここを取り上げます。
マルチチャンネル、O2O、オムニチャネル、OMOと実店舗とECの異なる販売チャネルに関する話は、
以前からでているとことではありますが、実店舗回帰も進む中で、ECと実店舗の融合される取り組むが一層すすんだようです。
具体的な取組として、オンライン接客、ショールーミング化店舗、EC 購入商品の店頭受け取り。
①オンライン接客
インターネットで双方向のコミュニケーションをとる接客方法。
ECは片方向のコミュニケーションが得意であるが、
時流が進む中で、顧客への個別対応が求められるようになります。
実店舗では当たり前のように、お客様の個別対応をWEBで実践するという内容ですね。
オンライン接客といっても、色々とありますが、代表的なものとして、
「個別ライブアポイント」「ライブコマース」があります。
「個別ライブアポイント」は配信者に対して、閲覧者は一人。
個別に商品の説明や、不明点、悩みを聞き取り、商品とのマッチングをすすめていきます。
個別に説明してでも、受注したいような高単価、リピート系の商品での導入が多いですね。
食品以外ですと、ブランド品、家、化粧品。食品ですと、健康食品などが相性が良いです。
次に「ライブコマース」では、配信者に対して、複数の閲覧者がいる状態で、
コメントでやりとりをすることが多いですね。
一対一のコミュニケーションはできなくても、ECの片方向のコミュニケーションではなく、
不明点をコメントをうけ回答することができたり、実際の商品の使用感を画面越しに確認ができます。
こちらは食品系ECでも導入がすすんでいます。
場当たり的にやっても、うまくいかないでしょうから形を決めて取り組むことが重要ですね。
②ショールーミング化
ショールーミングとは、実店舗(ショールーミング化店舗)で商品の現物をチェックし ECで購入する消費行動です。
特にアパレルで、動きが活発です。
在庫を置かずに実店舗では試着と、専用のECから商品を購入することができるサービスもあり、
人件費削減、省スペースを実現しています。
食品企業で取り入れられそうな事例としては、高島屋グループのショールーミングストア「ミーツストア(Meetz STORE)」。
https://www.fashionsnap.com/article/2022-04-28/takashimaya-meetz-store/
店舗で実際に商品を手に取り、体験したものを、最終的にはECで決済する。
この事例の特長的なところはギフトを強化していること。
ECでギフト購入の際に、手に取れないため、どうしても不安が多いものです。
それを店舗で手に取ってもらうことで不安を払拭して、ソーシャルギフトとして手軽に送るサービスです。
常設店でなくても、ポップアップ店や催事でも、このことは活かせそうですね。
③EC 購入商品の店舗受け取り
「BOPIS:Buy Online Pick-up In Store」と言われるようです。
消費者のメリットは、送料負担がなく、好きなタイミングで商品を受け取れる。
企業側のメリットは、物流コストの低減化、ECから実店舗への送客、顧客との接触機会の創出。
POSのシステムとの連動は必要ですが、顧客IDの紐づけができれば、
オンライン、オフラインの垣根を超えたマーケティング施策に繋がりますね。
実店舗を持っている方は、それを活かしたEC戦略、
そうでない企業でも既存事業がある場合には、既存事業とECの連動を意識してみましょう。
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