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2025.05.21UP

【精肉店の勝ち残り戦略】消費者の買い物行動が”真逆”に変化している!精肉店に求められることとは|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.05.21)

吉田 圭良

吉田 圭良

コンサルティンググループ 食肉業界支援チーム
チームリーダー
シニアコンサルタント

Blog | Keisuke Yoshida

【1】消費者の“買い物行動”が真逆に変化している

今日のテーマは、「“通販時代”における実店舗の価値再定義と、郊外型精肉店に求められる“非日常性”」です。

通販時代以前、実店舗と通販の利用用途の関係性はこうでした

用途 購入場所
日用品(普段使い) 実店舗(スーパー・商店街)
非日常品(ギフト・贅沢品) 通販・カタログ・電話注文

しかし通販成熟期の今、このように変わっています

用途 購入場所
日用品(ルーティン消費) 通販・定期便・まとめ買い(Amazon/楽天)
非日常品(気分転換・ご褒美) 実店舗(リアル体験・接客・こだわり)

✅ なぜ逆転したのか?

  • 日用品は「探す・選ぶ・持つ」が面倒 → ワンクリック通販で済ませたい

  • 非日常品は「見たい・香りを感じたい・誰かと共有したい」 → わざわざ出向いて“体験”したい

つまり、「便利さ」は通販に、「特別感」は実店舗にシフトしているのです。

【2】郊外型精肉店こそ、“非日常体験”を仕掛ける立場にある

郊外型店舗は、競合の少なさに甘えれば単なる日用品売場に陥ります。

しかしこの時代、お客様が“わざわざ行きたくなる非日常性”を持たない店舗は選ばれなくなるのです。

✅郊外型精肉店にありがちな“日常化の罠”

  • パック肉が整然と並ぶだけ

  • 特売チラシが毎週同じ

  • 商品提案や接客がない(=無機質)

→ これでは、**「スーパーと何が違うの?」**という評価に。

【3】郊外精肉店が「わざわざ来たくなる店」になるための“非日常性”3原則

✅ 原則①:「家ではできない」体験を用意する

  • 例:ライブカット(目の前でステーキを切る)

  • 例:その場で味付け/焼き加減提案(プロの技)

  • 例:希少部位の食べ方提案POP&試食

→ スーパーにはない「人・演出・音・香り」を出すことで、来店価値が生まれる。

✅ 原則②:「物語のある商品」で感情を動かす

  • 例:「但馬牛〇〇牧場の一頭買い」「店主が選んだ“本日限定”カット」

  • 例:「この部位、今年はこの時期しか入ってきません」などの限定性

→ 「今日しか買えない」「この店でしか味わえない」演出が、非日常の“買う理由”になる。

✅ 原則③:日常の中に“ちょっとしたごほうび”を仕込む

  • 例:「和牛ステーキ&ナムルセット」=週末のご褒美提案

  • 例:「焼肉の日」や「1人焼肉プレート」など企画型商品を継続提案

→ お客様は“理由があれば”贅沢を肯定してくれます。その背中を押す接客提案が重要です。

【4】非日常性を仕掛ける売場設計・販促の具体例

項目 非日常の仕掛け
陳列 塊肉/希少部位/ライブ感のある演出
接客 ストーリー付きの商品説明/部位選びサポート
POP 「数量限定」「店主のおすすめ」「今月のごほうび肉」
LINE 来店動機をつくる「限定告知」「予約販売」案内
外装 「肉屋」ではなく「肉のセレクトショップ」の空気感

まとめ

ーもう待ったなしです。今年を変革元年にしましょう。ー

✅ 通販で何でも買える時代に、わざわざ来店してもらうには“物語と体験”が必要

✅ 郊外型精肉店こそ、“非日常を演出できる舞台”を持っている

✅ 大きく変える必要はない。1つずつ「今日の“買う理由”」を用意するだけで、お客様は動く

“便利”は通販に任せて、“ワクワク”は精肉店が担う。

これからのリアル店舗は、“わざわざ行きたくなる、非日常の体験スポット”なのだという認識を持ち、店づくりを行っていきましょう。

吉田 圭良

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