ホーム > 吉田 圭良ブログ > 食肉業界 > 【精肉店の勝ち残り戦略】「選ぶ楽しさ」が「選ぶ苦痛」にならないために──お客様が迷わず、楽しく購入できる陳列戦略!|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.03.11)

2025.03.11UP

【精肉店の勝ち残り戦略】「選ぶ楽しさ」が「選ぶ苦痛」にならないために──お客様が迷わず、楽しく購入できる陳列戦略!|食肉業界専門経営コンサルタントのブログ(2025.03.11)

吉田 圭良

吉田 圭良

コンサルティング事業部 食肉業界支援チーム
チームリーダー
シニアコンサルタント

Blog | Keisuke Yoshida

精肉店の未来は明るい!ただし時流への適応努力が必要!

近年、精肉店の注目度は高まり、「肉をどこで買うか」という選択肢が広がっています。しかし、多くの精肉店が陥りがちな落とし穴があります。それは、「選ぶ楽しさ」を提供しているつもりが、実はお客様に「選ぶ苦痛」を与えてしまっている」 という現象です。

スーパーでは、消費者はすでにパック詰めされた商品を選ぶだけですが、精肉店は「お客様の好みに合わせたオーダーカット」「希少部位の提供」「グラム指定の販売」など、選択の自由度が高い点が魅力です。しかし、その自由度が「難しさ」になっていないか? という点を改めて考えてみましょう。

本日は、「選ぶ楽しさを最大限に引き出しながら、お客様が迷わずに買える陳列戦略」について深掘りしていきます。

 


精肉店でよくある「選ぶ苦痛」とは?

 

「専門用語が多すぎて、何を選べばいいのかわからない」

  • 牛肉の部位だけでも40種類以上、さらに豚・鶏・ジビエまで含めると膨大な選択肢が存在します。
  • 「ロースとサーロインの違いは?」「肩ロースとモモ、どちらがいい?」といった疑問に答えられず、結果的に購入を諦めてしまうケースが発生。

 

「価格表記が分かりづらい」

  • 「100g○○円」という表記だけでは、最終的な金額がイメージしにくい。
  • 「グラム単位で買える」と言われても、どの程度の量を買えばいいのかわからない。

 

「店員に話しかけづらい雰囲気がある」

  • 店員が忙しそうだと、質問を遠慮してしまう。
  • 「聞かないとわからない」状態が負担になり、「適当に買う」か「何も買わずに帰る」ことにつながる。

 

「商品が多すぎて、どれが良いのか決められない」

  • たくさんの選択肢があることがかえって負担になり、選び疲れてしまう。
  • 選択肢が多いほど購買率が下がる という「ジャムの法則」が示す通り、選びやすい環境を作ることが重要。

 

 


「選ぶ苦痛」を「選ぶ楽しさ」に変える工夫

 

 「3つの選択肢」で直感的に選べる仕組みを作る

「多すぎる選択肢」は、お客様にとってストレスになります。そこで、以下のような分かりやすい選択肢を提供しましょう。

お客様の目的別にカテゴリー化

  • 「焼肉用」「すき焼き用」「ステーキ用」 など、用途別に陳列。
  • 「柔らかさ」「脂の甘み」「赤身の旨味」 など、味の特徴で分類。
  • 「コスパ重視」「贅沢志向」「特別な日の一品」 など、予算別にグループ分け。

📌 例:「すき焼き肉」の場合

① 価格重視:「お手頃価格の国産牛セット」

② バランス型:「ほどよくサシが入った黒毛和牛」

③ プレミアム:「A5ランク和牛の特選すき焼き肉」

こうすることで、お客様は「どれを選べばいいのか?」と迷うことなく、直感的に購入できます。

「実際の量がわかる」ディスプレイを導入する

「100g○○円」ではなく、実際の見た目の量がわかる仕組みを作る ことで、お客様の不安を取り除きます。

「100g・300g・500gの実物見本」を陳列

→ どのくらいの量になるのかを視覚的に理解できる。

「1人分・2人分・家族向けセット」の提案

→ 「1人焼肉用のちょうどいい量」「4人家族で食べる最適な量」を提示。

 

「質問しやすい環境」を作る

店員に声をかけづらい状況を改善することで、「選ぶストレス」を大幅に軽減できます。

「おすすめ部位ランキング」をPOPで表示

→ 「迷ったらコレ!」と明記し、初心者でも安心して選べるようにする。

「スタッフのおすすめコメント」をつける

→ 「脂の甘みが最高!」「初心者でも扱いやすい赤身肉」など、一言コメントを添える。

「対話しやすい空間」を作る

「気軽にご相談ください!」のPOPを掲示し、質問しやすい雰囲気を作る。

「店員の名札に『おすすめ部位のプロ!』などの肩書きを記載する」 ことで、話しかけるきっかけを作る。

 

「選ぶ楽しさ」を演出する仕掛けを取り入れる

精肉店ならではの「選ぶワクワク感」を提供することで、購買体験を向上させます。

「本日のおすすめ部位ルーレット」

→ 店頭にルーレットを設置し、今日のおすすめ部位をランダムに決める。

→ 「今日の運試し!」といった遊び要素を取り入れ、リピーターを増やす。

「食べ比べセット」の提案

「サーロイン vs リブロース」など、2種類をセットにして販売

→ お客様自身が「違いを試せる」ことで、購入の楽しさを増やす。

 


もう待ったなしです。今年を変革元年にしましょう。

「選ぶ楽しさ」を提供しているつもりが、実はお客様に「選ぶ苦痛」を与えているかもしれません。

選択肢を整理し、直感的に選びやすくする

量のイメージを伝え、購入ハードルを下げる

質問しやすい環境を整え、「迷う」ストレスをなくす

「ワクワク感」を演出し、購買体験を向上させる

こうした工夫を積み重ねることで、お客様にとって「楽しい精肉店」「また行きたくなるお店」へと進化することができます。

まずは、店頭の「選びやすさ」を見直し、今日から実践できる改善点を探してみましょう!

吉田 圭良

吉田 圭良

コンサルティング事業部 食肉業界支援チーム
チームリーダー
シニアコンサルタント

Blog | Keisuke Yoshida

RERISE CONSULTING Facebook

tel:0800-100-0515

RERISE CONSULTING Facebook

上へ