人口減少と楽天依存への不安。
老舗和菓子店が求めていた「売れる仕組み」。
明治創業の南陽軒は、4代にわたり地域の特産品である栗を使った和菓子を製造・販売してきた老舗の和菓子店。しかし、人口減少や過疎化の影響を受け、実店舗の売上は年々落ち込んでいた。周辺の人通りも減り、事業の先行きに対する不安が募っていく。
そこで、4代目社長の小南正信氏は、新たな販路開拓のため楽天市場に出店。売上は伸びたものの、広告費をかけなければ商品は売れず、手数料を支払うと利益はほとんど残らない。薄利だが広告費をかけないと商品を売ることもできない楽天依存の体質に、徐々に危機感を感じるようになった。また、楽天中心の販売では売上が安定しないため、原料の必要量の見通しが立たず、仕入れた栗の行き場に困ることも少なくなかった。
南陽軒にとって栗農家との関係は、事業を支える重要な基盤になる。品質の良い栗を提供してくれる農家は欠かせない存在であり、栗農家との関係を守るためにも、安定した仕入れが必要だ。売れた時だけ仕入れるのではなく、「どんな時でも一定量を仕入れ、農家にとっても安定につながる売り方をしたい」という、南陽軒が大切にしてきた仕入れの姿勢も守れなくなる不安があった。
ECモールの仕様や広告に左右され、売上が伸びる理由も落ちる理由も読めない状態では、仕入れ計画すら安定しない。自社で販売の主導権を持てないことが大きな課題だった。
「一時的な打ち手ではなく、事業を長期的に安定させる売れる仕組みが必要だ」と感じながらも、どこから手をつければよいのか分からない状況が続いていた。「何を優先して直すべきか、自分では判断しきれなかったんです。本当にこのやり方でいいのか、と毎日考えていました」と、小南社長は当時を振り返る。
4代にわたり地域の特産品である栗を使った和菓子を製造・販売している。
揺るぎない信頼関係があるからこそ、農家も安心して栗づくりに専念できる。
中津川産の栗100%でつくる看板商品「くりきんとん」。素朴で奥深い味わいが支持され、EC販売だけで累計100万個以上を売り上げている。












