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2025.05.23UP

成功事例

株式会社銀装(菓子類の製造販売)

Before
Action
After

大阪老舗カステラ店が
EC販売を改革。
コロナ転換期を経て業績V字回復へ。

Company

株式会社銀装(菓子類の製造販売)

会社DATA

株式会社銀装
本社所在地/大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目4番24号
事業内容/菓子類の製造販売
ネットショップ / https://www.ginso-shop.com

創業者・赤木康夫氏が昭和27年(1952年)、大阪の繁華街・心斎橋で創業。
当時貴重品であった砂糖を使ったカステラは、木箱入りの高級品。主に、経営者層や富裕層の贈答品として活用されていた。そんな中、「紙の缶詰」と名付けた熱殺菌し銀紙で包装する保存方法を開発。約3週間の長期保存を可能とした上、カステラ業界では初めてスライスカット化にも成功。
より手軽で身近なお菓子としてカステラが庶民の間にも広がっていった。以来、独自の製法と厳選した材料で、長崎カステラとは異なる「ふんわり」「あっさり」「きめ細やか」な銀装ならではの味わいが、大阪のカステラとして長年幅広く支持されている。
  • 創業以来、主力商品のカステラを中心に
    関西圏で不動の人気を誇る。
    コロナ禍による消費者の変化を受けて
    EC販売強化に取り組む。

  • リライズコンサルティングと契約を締結。
    購買行動に合わせた
    「選びやすく買いやすいオンラインショップ」
    の構築を図る。

  • EC販売が右肩上がりに成長。
    オンラインショップでの好調が
    実店舗にも連動して、
    コロナ禍前を越える売上を達成。

創業70余年のカステラの名店。コロナ禍による店舗来客数の減少に直面する。

「創業者である祖父の赤木康夫は小学校を卒業した後、東京へ丁稚奉公に上がった苦労人。学問好きのアイディアマンであり常に実践の人であった祖父は、甘いものが好物で食べ物に対する思い入れもとても強かったそうです」と語るのは、代表取締役副社長の赤木直子氏。
創業当時、心斎橋周辺は多くの高級店や企業が軒を連ね、高級品だったカステラは贈答品として人気を博した。
「美味しくて栄養価の高いカステラを誰でも手軽に食べられるように普及させたいと考えたそうです」と明かしてくれたのが常務取締役・赤木康人氏。今も社に受け継がれている社是に「学問も原料」、「絶世の品質」、「経済味覚」という創業者の言葉が残っている。
カステラを広く届けるために、自社工場にて「紙の缶詰」という独自の包装殺菌技術を開発。当時は稀だった「食品の熱殺菌処理」と「密封包装」に成功し、賞味期限は従来の3日から約3週間へと一気に延びた。これにより計画生産・計画販売が可能となり、廃棄ロスが減少。著しく製造コストが削減されたことから、リーズナブルな価格での提供が実現した。また、ひと塊で売られているのが定番だったカステラを、食べやすいスライスカットの商品にしたのも銀装だ。
こうして銀装のカステラは、厳選した素材による「ふんわり」「あっさり」「きめ細やか」な味が広く愛されるようになり、大阪ブランドの銘品として、長年、不動の地位を築くに至る。
ところがコロナ禍によって状況は一変。2020年、緊急事態宣言が発令され、人が集まる催しは相次いで中止に。主な顧客層であるシニア世代が外出を控えるようになり、店舗への来客が激減した。

  • 厳選された安全・安心な“天恵の素材”から作られるカステラ。

  • 熟練の職人が創業当時の伝統技法にてカステラを
    作り続けている。

  • 1993年に、食べやすく一切れ一切れずつを個包装したカステラの販売も他社に先駆けて開始。

消費者の購買行動の変化を受けてEC販売を強化。
オンラインショップの再構築に乗り出す。

連日賑わっていた心斎橋筋商店街が「外出自粛」で人もまばらに。消費者の購買行動は大きく変化し、幅広い世代でオンライン購入が日常化したことから、銀装経営陣からもEC販売の強化の声が挙がった。
それまで銀装がおこなっていたEC販売は、転居などで関西を離れた銀装ファン顧客の“買いたい”に応えるための受け皿的な位置付け。とはいうものの、楽天など大手ECモールの勢いが増していたことから「そもそもEC販売を強化する必要がある」と赤木康人常務は以前から考えていたそう。「コロナ以前からリライズコンサルティングの中山社長とは面識があり、そのご縁で何度かセミナーにも参加しました。中山社長は私を目の前にしながらも“カステラというのは基本的に謝罪スイーツ。絶対食べないといけないものではないけれど、もらったら嬉しいハズレのないお菓子”と率直な意見を語っておられました。それを聞いて、“正直な人だなあ”と好感を持ったことが印象に残っています。」
コロナ禍による社会の大きな変化をきっかけにリライズコンサルティングとコンサルティング契約を締結。まず、着手したのが新たなオンラインショップの構築だ。インターフェイスの改善、商品カテゴリーの整理、季節商品の企画などに加えて、メルマガ配信による集客もスタートした。
赤木直子副社長は当時を振り返り、「“定番のカステラ”と“カステラ詰め合わせ”といった商品のバリエーションを見せるだけだったオンラインショップを、季節の贈答品、仏事のお供え、法人・団体様向けギフトといった用途にあわせたページに作り変えることで、よりお客様にとって選びやすく買いやすいオンラインショップへと変貌を遂げていきました」と語る。「創業以来、“超一流の販売サービスでお客様をおもてなしする”が銀装のモットー。オンラインショップでも店舗と同様、質の高いサービスが提供できるように、のしや包装のサービスをリクエストしやすい環境へと整えることができたのも良かったと思います。」

  • 心斎橋の本店ビルの一室で打ち合わせを行う赤木直子副社長、赤木康人常務とリライズコンサルティング・コーディネーター。

  • 「EC販売を通してより多くのお客様と繋がれるのが
     嬉しい」と語る赤木直子副社長。

  • 「SDGsや環境問題にも積極的に取り組んでいきたい」と意欲を見せる赤木康人常務。

EC販売の好調が店舗に連動。
全社売上はコロナ禍以前を越える伸びを見せる。

オンラインショップの再構築後は、人気商品や閲覧率の高いページなどサイト内検索の分析をもとに顧客ニーズを把握。新たな売り場設計やページ改善による対策を続けていく中で、EC販売の売上は右肩上がりに成長していった。
赤木康人常務は「“父の日・母の日など季節のイベント商品は駆け込み需要が大きい”など、リライズコンサルティングさんの分析で、顧客の動きを数字で検証できたことがありがたかったですね。イベント商品については購入締め切り日をギリギリまで延ばして、直前の大量注文にもきっちり対応できるよう、バックオフィスをさらに整えていかなくてはならないと感じています」と明らかになってきた課題を語る。
「オンラインショップの再構築以来、お客様からお問い合わせやお喜びの声が目に見えて増えていくことに大きな手応えを感じました」と語るのは赤木直子副社長。「あまりにお問い合わせが多くて対応に苦慮していた時、リライズコンサルティングさんからチャットボットの導入をご提案いただきました。“カステラくん”というキャラクターを設定したのですが、“可愛い”とご好評いただいています。チャットボットで利便性が向上したことはもちろんですが、最終的に商品購入や予約、リピーターなどに結びついていく点も大きなメリットでした。」
EC販売における好調の波は実店舗での売上にも連動し、全社売上は、コロナ禍以前を越える伸びを見せている。
2024年8月には、看板商品である「カステ11(赤箱)」が「大阪産(もん)名品」に認定。また、もうひとつの看板商品であり、2010年に「大阪産(もん)名品」に認定されている「カステ21(青箱)」は大阪・関西万博公式ライセンス商品「EXPO2025 大阪・関西万博カステラ」として限定販売が行われている。他にもSDGsやCO2削減への取り組みの一環とした新しいパッケージ展開など、銀装では次々と新しい試みが始まっている。
「EC販売については、まだまだ道半ば。大阪の老舗としての歴史を活かしながら、次の時代に繋げていく全国的な取り組みを進めています。」初代の志を受け継ぐ2人の挑戦は続く。

  • 季節の贈り物やイベントのギフト、お土産、お供えなど幅広いシーンで活躍。

  • 大阪・関西万博公式ライセンス商品
    「EXPO2025 大阪・関西万博カステラ」。

  • リライズコンサルティングと共に、EC販売を足掛かりとして全国的な飛躍を目指す。

支援先経営者の声

  • 「正直、コロナ前はEC販売を“既存顧客の窓口のひとつ”として捉えている部分がありました。ですが、リライズコンサルティングさんとお仕事をさせていただく中で、EC販売も店舗と同じように“お客様と繋がれる大切な場所“だということを強く感じています。今後、お客様がもっと使いやすく、もっと選びやすい売り場となるように、商品構成はもちろん、ツールやアプリも充実させていきたいですね。オンラインショップのお客様もまだまだ大阪を中心とした関西圏の方が多いですが、EC販売を通じて銀装のカステラを全国の方に味わっていただけたらと思います。」

    株式会社銀装
    代表取締役 副社長 赤木直子氏
  • 「リライズコンサルティングさんには、かなり充実したご提案をいただいていると感じています。社内でEC販売を動かそうとしても、この道が正しいのかどうか、経験がない分、確信が持てない。プロに提案していただくことでスピーディーに動けますし、効果検証もしっかりできます。これからの時代、我々のような業態はEC販売の売上構成比率をもっと上げる必要が出てくるでしょう。将来的には“大阪土産”や“大阪ブランド”を外しても売れるような商品開発を行って、EC販売における銀装ならではの強みをしっかり確立していきたいですね。」

    株式会社銀装
    常務取締役 赤木康人氏

「銀装のカステラ」といえば、年齢性別を問わず、万人受けするスイーツです。高い商品力と知名度に加えて、冷凍や解凍の手間がない常温商品であることもEC販売において大きな強み。送った先で保存しやすい上、スライスカットされているので、その場で開けて食べることもできる。手土産、ギフト、記念品、法要、イベントなど、幅広いシーンに活用可能で、まだまだマーケット開拓の余地が残されています。
現在は売上の大阪比率が高く、東京を中心とした関東圏に大きなマーケットが残っていることも好材料。今後もEC販売を通じて、全国に向けて商品力の高さを訴求していきたいと考えています。

コンサルティンググループ
WEB広告運用チーム
チーフコンサルタント 中山 崇

コンサルティンググループ
EC支援チーム
経営コンサルタント 小田 弘人

支援先の声

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