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「株式会社 名護パイン園」

成功企業の事例紹介

2017年07月31日

観光立地を活かした新規顧客獲得経路の拡充で通販年商3.5億円
「株式会社 名護パイン園」

1979年、株式会社名護パイン園を設立。パイナップル畑の中に立つログハウスにて、自社で育てたパイナップルの販売を開始する。沖縄の基幹産業「パイナップル」をモチーフとした沖縄観光複合施設(テーマパーク)展開により事業を拡大する。自動で動くパイナップル号で、パイナップル畑や亜熱帯植物園を散策できるナゴパイナップルパークは沖縄を代表する観光施設に。今では、自社製造のパイナップル商品等約120種(ワイン·スイーツ·コスメ…)を試飲試食しながらショッピングでき、年間70万人が訪れる自社施設を活用した通販事業は年商3.5億円を突破する。

今回は、株式会社名護パイン園の通信販売事業部にお邪魔した。沖縄の基幹作物パイナップルを冠にした株式会社名護パイン園。グループ内に沖縄そばを沖縄一売っている「大家(うふやー)~琉球百年古民家~」や、両サイドが沖縄の青い海に囲まれる橋を渡って行く古宇利島のメインスポットである「古宇利オーシャンタワー」を運営する沖縄を代表する観光事業会社である。 豊見城市に事務所を構える通信販売事業部は、沖縄の生産者や農家の方々がつくった魅力ある本物の商品を厳選し、作り手の想いと共に案内する。2003年に通販事業を開始。仰執行役員が行き詰まっていた通販事業を引き継いだ頃は、様々な通販に関するセミナーに参加していたという。新聞広告等の有料施策も積極的に行い、新規顧客名簿を獲得していた。しかし、一向に通販事業の収益性が高まらず、04-05年期には、営業損失1,500万円となり、事業を根底から見直し始める。
株式会社名護パイン園の通販事業におけるユニークな点は、「新規顧客名簿獲得経路の豊富さ」と「徹底した費用対効果の管理」と言える。年間で沖縄を訪れる約700万人のうち約10%におよぶナゴパイナップルパークの来場者、グループ会社の施設を含めれば約120万人が訪れる来場者を通販へ誘導するだけでなく、「上流戦略」と称し、ナゴパイナップルパークに訪れていないその他90%の観光客の取り込みを行うことで通販事業を加速的に伸ばしている。 ナゴパイナップルパークに訪れて商品を購入すると必ず同封されている「カタログ請求ハガキ」。同ハガキは、1枚配布するごとに14円の利益を生むことがわかっている。1,000枚配布に対するレスポンス売上から販促にかかったコストを差し引くことで算出されている。つまり、この反響数値をしっかり押さえながら、カタログ請求ハガキの配布量をとにかく増やすことで、収益性も維持したまま通販事業の売上を拡大させることが可能となっている。

 

沖縄を代表する観光事業会社にまで成長するが、2001年に起きたニューヨークの同時多発テロにより観光産業が停滞し、沖縄来訪者が減少。外的要因の影響を受けにくい事業として通販事業を開始。

広告へ積極投資を行うが単年で1,500万円もの損失を出す。その契機に通販事業の抜本的な見直しを行う。自社が持つ観光資源を活用した実店舗からの集客強化で通販事業を拡大させ、14年期3.5億円達成。

実店舗からの集客強化から「上流戦略」と称した自店非来場者からの名簿獲得の仕組みを構築。今後は、頒布会や健康食品などのクロスセリングを行い、さらに収益性の高い事業構築を図る。

成長企業の声

株式会社 名護パイン園 株式会社 名護パイン園
執行役員 統括部長 兼 通信販売事業部 部長 仰 耕平 氏
株式会社名護パイン園は1979年に自社で育てたパイナップルの販売から始まり、今では古宇利島のランドマークであるオーシャンタワーやナゴパイナッブルパーク、飲食店、免税店等を運営する沖縄を代表する企業にまで成長。
通信販売事業部は観光施設ナゴパイナッブルパークをメインに南の島・沖縄の特産品や名産物を全国に発信する。仰執行役員は「通販はスピーディーな対応が求められる分野。現場主義による、フットワークの軽さは大事」と言い、日々、数字とにらみ合い、分析を行い、通販の現場に携わっている。

外的要因を受けやすい観光業界依存から脱却するための通販事業

沖縄に訪れれば、知らず知らずのうちに名護パイン園の施設や店舗に訪れているほど。1979年に名護パイン園を設立以降、様々な観光施設を展開し事業を拡大させてきた。しかし、2001年に世界を震撼させる一大事が勃発。ニューヨークで起きた同時多発テロである。同事件により沖縄の観光産業も大きな打撃を受ける。観光産業は外的要因により、収入が不安定になるため、名護パイン園は外部環境の影響を受けにくい通販事業をスタートした。ただ、継承した当初の通信販売事業部は、存続させる意味がないほどの赤字を生み出していた。

そこで、通販事業の抜本的な見直しに着手。広告による新規顧客獲得に頼らず、自社が持つ観光資源を活用し始める。実店舗からの集客強化、DMを毎月実施、有料広告や楽天ショップ、印刷物の制作委託を中止、反響の低い顧客リストを大幅削減するなど様々な改革を行う。大幅な改革により、新たな方向性に合わなかった従業員の5分の4が退職するなどの危機を乗り越えながらも、通販事業を拡大させ14年期通販年商3.5億円、営業利益率17%を超える高収益事業を構築した。

来場する観光客を通販顧客へ誘導する仕組み作りにより通販事業を拡大

まずは、年間70万人が訪れるナゴパイナップルパークを活用した。

■自社の見込み客を掘り起こす「カタログ請求ハガキ」
 自社の施設で販売している商品に同梱されている「カタログ請求ハガキ」。特典としては「【三大特典】送料500円 & 15%割引 & パイン炭石鹸プレゼント」を実施。1枚配布毎の利益は14円と高い。1,000枚配布当たりのレスポンス数は8.3件となっており、そこから送料負担分や販促コスト(人件費・通信費・光熱費等は除く)を差し引いても差益が出ている。
 自社のカタログ請求ハガキは、箱物商品や発送時の箱に同梱されている。商品の箱に同梱されているハガキにはスイーツの画像が配置されていたり、発送用の箱に同梱されているハガキには「ご来店感謝キャンペーン」のタイトルが表示されている。ただ一様に同じハガキを同梱するのではなく、顧客との接点ごとにハガキの内容を微調整することでレスポンス率アップを図っている。

■全国発送を積極的な告知やオファーで促進
 沖縄という立地特性として「送料が高い」という点が挙げられ、通販未購入動機の1つにもなる。そこで店内では、至る所に「◯◯で送料無料」や「特定の商品セットを購入することで送料無料」などの特典を付けて、購入へ至る心理的ハードルを下げている。また、レジのすぐ横に全国発送の専用レーンを設置し、全国発送へと誘導している。

自社に来場しない顧客層へアプローチする「上流戦略」で、さらに通販事業を拡大

ナゴパイナップルパークで確立した通販顧客獲得の仕組みをグループ総計約120万人の来場者へ横展開を行うだけでなく、「上流戦略」と称しナゴパイナップルパーク他、自社施設を訪れていない観光客の取り込みを行っている。上流戦略とは、店舗に訪れる「旅行中」や、発送商品や購入した商品を楽しむ「旅行後」より、もっと先に見込み客へアプローチするという考え方だ。

■上流戦略その① 旅行前アプローチ「事前のお土産購入を促進」
 沖縄の来訪者の多くは旅行代理店を利用している。旅行代理店は観光に先立ち、観光客に対して事前に旅程表を配布する。その時に、通販で取り扱う商品を掲載した折込チラシの同梱の協力を取り付けた。
 観光客へは、旅行前に土産物を注文することで、沖縄に来て帰宅する頃に合わせて、商品が自宅に届けられるという仕組みを提案。観光客は手ぶらで旅行できるため、観光にも集中できるという顧客獲得システムを構築。1人当たりの注文数も増え、客単価は平均1,000円以上もアップした。

■上流戦略その② 旅行中アプローチ「レンタカー」
 沖縄観光ではレンタカーを多く利用されることに着目。レンタカー会社と協力し、レンタカーの利用客へ「購入商品1個からでも送料無料」という特典付チラシを配布。当初は購入点数が低く、送料負担分が大きな負担となることを想定したが、予想以上に客単価が高かった。提携先を増やしながら、チラシの企画内容もブラッシュアップしていくことで収益性を高めていっている。

取材日:2017年1月27日(金) 文責:南口 龍哉

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